
空き家等に係る媒介報酬規制の見直し

2024年7月1日より、空き家の仲介手数料上限が引き上げになります。
空家の増加が社会問題となっており、これを解消するために国土交通省は宅地建物取引業法に基づく大臣告示を改正します。
売買取引と賃貸借取引で、空家の仲介手数料上限を引き上げることを発表しました。
改正は2018年以来2度目です。
以前は400万円以下の低廉な不動産売買の手数料上限を18万円に引き上げることになりましたね。
今回の改正内容を整理してみました。
課題が残る空家活用
長年に渡り、不在の住宅や、利用されない住宅である「居住目的のない空き家」が約349万戸となり、この20年間で約1.9倍に増えました。(総務省住宅・土地統計調査による)
空き家が増える一方、地方移住のニーズも高まっており空き家・空き室の有効活用のための仲介だでなく、それを長期に渡ってサポートする宅建業者の存在は欠かせません。
ただし、低廉な空き家などは宅建業者が取り扱わない、いわゆる「お断り物件」として敬遠されてきました。
ビジネスの観点から割に合わないからです。
そうした実態が長年空き家が放置されてきた課題でもありました。
空き家の仲介手数料引き上げ
空き家の解消を目的とする「不動産業者による空き家対策推進プログラム」を2024年6月国土交通省は公表しました。
流通に適した空き家等の掘り起こしと、空家流通ビジネス化支援を目的としています。
そのための施策として、7月1日より空き家の仲介手数料の上限を引き上げることになりました。
今回は売買及び賃貸借の両方で報酬額の引き上げがおこなわれました。

売買取引の報酬額
売買の場合、報酬額はこれまで成約価格の3%+6万円でした。(400万円超の場合)
しかし、今回の特例では物件価格が800万円以下の宅地建物(使用状態は不問)についてかかる費用を考慮して、33万円まで引き上げます。
例えば、500万円で成約した物件の場合は、約99,000円の媒介報酬の引き上げとなります。
賃貸借取引の報酬額
賃貸の場合は、原則オーナー、借主双方から受けることのできる報酬の合計額は月額家賃の1.1倍までとなっています。 しかし特例では、月額家賃の2.2倍を上限としました。
少なくとも1年を超える期間空き家になっていたり、相続により利用されなくなった物件、今後も利用の見込みのない戸建やマンションの空室が対象です。
宅建業者が報酬を受ける際の注意事項
上記で説明した内容は、あくまで低廉な空き家の利用促進を目的とした特例です。
当然のように媒介報酬の引き上げを説明せず、取引を行うとトラブルになる可能性があります。
あくまで上限であり、十分な説明と書面による契約の締結が望ましく、依頼者と合意する必要があります。
神戸アイランド不動産では、法令順守を行うとともに顧客の利益を第一優先に考え情報発信と、情報提供を行っています。
いつでもお気軽にご相談ください。
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